車のエアコンの修理代の相場は?

今の車はエアコンがついているのが当たり前となっており、昔のように購入するときにエアコンをつける・つけないを選べるのは一部の商用車だけとなりました。
それも軽自動車でもオートエアコンなる贅沢なものが付けられるようなり、技術の進歩を感じます。

 

しかし、ほぼすべての車にエアコンが標準装備されるようになったおかげでエアコンの故障が非常に多くなり、特にコストを削って作られているコンパクトカーやエアコンの稼働時間が長いであろうミニバンなどに多くみられます。
やはりコスト削るといいものはできませんので、その質の悪化から起こる故障もありますし、広いキャビン内を快適な温度にしなければならないミニバンではエアコンに相当負担がかかることでしょう。

 

特に最近のミニバンなどではリヤエアコンやもっとすごいものとなるとトリプルゾーンなどといって前後だけでなく、左右で独立したエアコン系統を持つのでより一層エアコンへの負担が大きくなり、そして構造の複雑になるので壊れる確率が高くなってしまいます。
車においてエアコンが壊れるというのには大きく分けて2つの系統に分けることができます。

 

1つは冷気を作るための系統、そしてもう一つは制御や風を作り出すための電気系統です。
一般的にエアコン修理でお金がかかるのが冷気を作り出すほうで、電気系の故障では意外とお金がかかりません。

 

例えばエアコンの風を作りだすブロアモーターの故障ではブロアモーター交換費用として25000円ぐらいで直せますし、エアコンパネルの制御系がおかしくても、単なる電気基盤ですので10000円ぐらいで直すことができます。
冷気と暖気を切り替えるエアミックスダンパーやそれを駆動させるサーボモーターの故障でも、工賃含めても2万円もあれば直せるでしょう。

 

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しかし、冷気を作り出すエアコンのメインとなる部分が故障してしまうと結構高くつきます。

 

よくあるエアコンガスのガス漏れですが、こちらは単純にエアコンガスの充てんだけであれば、真空引きを使っても8000円ぐらいで済みますが、ガス漏れを起こすということはガスを補充するだけではいけないということです。
漏れているのですからその漏れている場所を特定して、その部分をしっかりと修理しなければ、せっかく入れたエアコンガスもまた漏れてしまうことになります。

 

このガス漏れの場所を特定するのが結構大変な作業で、よくある配管の結合部分とかコンデンサー、コンプレッサーからの漏れであればすぐに見つかるのですが、奥まったところにあるエボパレーターとか、リヤエアコンが付けられているミニバンなどではエアコンガスが流れる配管がキャビンにまで回っているのでかなり大変です。
エアコンガスの漏れを修するより、漏れを発見するまでの方が時間がかかることがあるぐらいで、これは時間で工賃を割り出すディーラーではかなりの工賃を取られることになります。

 

このパターンですと5万円はくだらないでしょう。
エアコンの修理で一番お金がかかるのがエアコンコンプレッサーのトラブルです。

 

エアコンコンプレッサー自体の故障、ワンウェイクラッチの故障などはエアコンコンプレッサーの交換が必要で、これだけで5万円以上の部品代がかかってしまいます。

 

これだけで済めばいいのですが、例えば過去にホンダの車であったコンプレッサー内の破損による故障となるとその破損した部分の破片がエアコンガスの配管に回ってしまうことがあるため、すべての配管をチェックしなければならなくなり、どこにも破片がなかったとしても2万円以上の工賃を取られることになります。
コンプレッサー代金とあわせて7万円ぐらい、これがよくあるエアコントラブルの中で一番高い金額となります。

 

車のエアコンの故障の原因と安く修理する方法

カーエアコンの故障を見る前にまずはエアコンがどういった仕組みで動いているのかを見てみましょう。
エアコンは暖気と冷気を組み合わせることによって暖房・冷房・除湿を行うものです。

 

暖房はエンジンの冷却水を引き込むことによって熱を得る仕組みとなっており、その熱い冷却水が流れるところにブロア―モーターからの風を当てることによって温風を得ます。
一方、冷風を得るのは結構複雑です。

 

構造的には家庭用のエアコンと同じで、密閉された環境に入れられたエアコンガス(冷媒)を気化したり液化することによって冷気を得ます。
エアコンガスをコンプレッサーで圧縮するとエアコンガスは液体となります。

 

その液体をエキスパンションバルブから噴霧するときに圧力が弱くなり、それによって液体であったエアコンガスが気体になり、その時の潜熱作用によって冷気を得た状態でエボパレーターという部分に冷えたエアコンガスを流します。
エボパレーターはアルミで出来ているのでそれエアコンガスによって瞬時に冷え、そこにブロア―モーターからの風を当てたのがエアコンから出てくる冷気なのです。
気化されたエアコンガスはそのあとコンプレッサーに送られ、また圧縮されることによって液体へと戻り同じサイクルを行っていくという形になります。

 

冷えたエボパレーターの周りには空気中の水分が液化してくっつくのでそこで除湿効果も得られるといった仕組みです。
これがカーエアコンの暖房・冷房・除湿の仕組みです。

 

この中でよくあるトラブルのほとんどが冷房におけるものでこれは構造が複雑ゆえのことだと思われます。

 

よく聞くのがコンプレッサーの故障、コンプレッサーは通常はエンジンの回転によって回され、プーリー内に仕込まれている電磁クラッチによってコンプレッサー内部を回転させたり、止めたりします。
回転するものはどうしても劣化や摩耗によってその能力を低下させることになり、それが電磁クラッチの出来的な故障やオイル不足による焼き付き、コンプレッサー内部の破損という故障に繋がります。

 

コンプレッサーは分解して直すようなものではないため基本的にはアッセンブリー交換ということになりますが、これがかなり高価なもので新品では5万円ぐらいするものもあります。
しかし、世の中にはリビルト品と呼ばれる再生部品や保証付きの中古品なども流通しており、そちらですと新品の半額以下で手に入れることができますのでそれらを使えば、コンプレッサートラブルによる修理は安くすることができるでしょう。

 

あとはエアコンガスが流れる配管や各部品からのエアコンガス漏れというものがあります。
ガス漏れは振動によって配管が抜けたり、劣化から配管が裂けたりすることによって起こることが多く、その場合は新しい金属パイプやホース、部品に交換することによって直しますがこちらは部品代としてはそれほど高くはありませんので純正新品パーツを使った方がいいでしょう。
しかしこういったトラブルの時にかかる費用のほとんどが漏れを発見するときに手間賃であるため、こればかりは安く済ます方法はありません。

 

それからこれもエアコンガス漏れの一つなのですがエボパレーターからのガス漏れもよく聞きます。
エボパレーターは熱伝導率の高いアルミニウムで出来ているため、腐食に弱い性質を持っていることによって穴が開き、そこからガスが漏れます。
実はこれも部品代が非常に高いもので、新品を購入するといると4万円以上します。

 

この部品もリビルト品や社外品が出回っているのでそちらを使えば安く済ますことができますが、中古品だけは止めた方がいいでしょう、きっとすぐにまた漏れ始めますので、社外品か修理代は高くなりますが純正部品を使うのが得策かと思います。
それからエアコンガスの熱を冷ますコンデンサーもガス漏れの大きな原因でこちらもアルミ製であることが多く腐食によって穴が開きます。

 

こちらもできれば純正新品がいいのですが3万円以上もしますので、社外品やリビルト品を使うと安く上がるでしょう。

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